「南辕北辙」に完全に一致する日本語の成語はありませんが、「反対の方向に進む」 や 「的が外れる」 といった表現が近い意味を持ちます。また、故事に基づく教訓として「南へ行こうとして北に向かう」 と説明されることもあります。
「南辕北辙」の中文拼音(ピンイン)
Nán yuán běi zhé
出典と典故
「南辕北辙」は古代中国の故事集『戦国策・魏策四』に由来します。
エピソード:
昔、魏国の臣下が戦争を起こそうとした際、隣国の賢者がたとえ話をしました。「ある人が太行山へ向かうため、北方へ馬車を走らせていました。通りかかった賢者が『太行山は南にあるのに、なぜ北へ向かうのか?』と問うと、その人は『馬が早いし、旅費も十分ある』と答えました。賢者は『条件が良くても方向が間違っていれば、かえって目標から遠ざかるだけだ』と諭しました」。この話から、手段が優れていても方向性が誤っていれば目的を達成できないという教訓が生まれ、「南辕北辙」という成語が定着しました。
例文と説明
例文1:
「環境保護を掲げながら森林破壊を進めるのは、まさに南辕北辙だ」。
説明: 環境保護(目標)と森林破壊(行動)が矛盾しており、行動が目標と逆方向に進んでいることを強調しています。