「桃源郷」は、今からおよそ1600年ぐらい前に、中国の晋の時代の詩人、陶淵明が「桃花源記」に描いた理想郷です。詩人、陶淵明はその詩、「桃花源記」ならびに序の中で、桃の花に囲まれた別世界を描きました。現在では、桃花源記の詩より、その序文のほうがよく読まれています。
「桃源郷」という言葉は、日本でもよく使われています。でも、その出典が中国の詩だということを知っている人はどのくらいいるでしょうか?中国では、中学二年生の国語の教科書に載り、暗記を要求されるので、広く知られています。
では、ウィキペディアの訳文を引用して、その内容をご紹介しましょう。
晋の太元年間(376年 - 396年)、武陵(湖南省)に漁師の男がいた。ある日、山奥へ谷川に沿って船を漕いで遡って行った。どこまで行ったか分からないくらい上流まで来ると、突如、桃の木だけが生え、桃の花が一面に咲き乱れる林が両岸に広がった。その香り、美しさ、花びらが舞う様子に心を魅かれた。