解語の花
「解語の花」文字通り、言葉が解かる花。ここでは花は女性のたとえです。つまり、言葉を理解する美しい女性ということです。
この言葉は元来、中国の唐の時代の有名な美人、楊貴妃のたとえです。楊貴妃は日本でもよく知られているようですね。玄宗皇帝の寵愛を受け、皇帝は彼女を喜ばせるために、彼女の大好物のライチを、早馬に乗った使いに、今の広東から西安まで、運ばせていました。二人の熱愛を描く詩歌や伝説など、中国にはいっぱい残されてきました。この楊貴妃は、「安史の乱」で、兵士たち怒りを鎮めるために絞殺されたと言われるんですが、実は生き延びて、最後に日本にたどり着いたという驚きの伝説もあります。
楊貴妃に由来する「解語の花」ですが、唐の皇帝と妃たちが住む宮殿には、太液池という池があります。この池には、白い蓮の花が咲き乱れています。ある日のこと、唐の玄宗皇帝は、この池のほとりで宴会を開き、皇族の人たちと一緒に、蓮の花を観賞していました。幻想的でとても美しかった蓮の花に、人々は見とれて、この花を誉め称えました。すると、玄宗は微笑んで、そばに立っている妃を指差しながら、こう言いました。