地下鉄2号線の朝陽門で降り、東のほうへ歩き出すと、中国外務省の大きなビルが見えます。近代的なオフィスビルが多く、いつも人がせわしげに動いています。もう少し、東に足を向けてみましょう。右手に、時代から取り残されたような門柱が建っています。道路(朝陽門外大街)をはさんで反対側に、東岳廟というお寺があります。700年の歴史がある道教のお寺で、ここが今回紹介する北京民俗博物館です。
北京でただ一つの民俗にしぼった博物館で、人々の暮らしぶりがよく伝わる博物館です。1999年に一般公開が始まったばかりですので、歴史はさほど長くありません。ただ旧正月のお祭り・廟会はずっと前から続いており、福を求める北京市民でごった返します。
まず、お寺のほうに足を踏み入れてみましょう。76人の偉人の像が飾られています。一人一人にはお付きの人が10人ほどいて、そのうちの一人が、犬だったり、カエルだったりします。見ていて楽しくなります。本殿に通じる通路には、赤いお札がいっぱいぶら下がっています。旅の安全、商売繁盛、受験など8つの願い事がかなうそうで、自分の名前を記入して、くくりつけてあります。日本の神社で見られる絵馬とそっくりです。