中国の博物館というと、古い歴史に関係するものが多く並んでいる、そんな印象を受けます。ちょっと趣向を変えて、美術館はどうでしょう。今回は中国美術館を訪ねます。
場所がなんといってもいい。故宮の北門を出ると五四大街に出ます。道を渡れば向かい側は景山公園です。この五四大街を東の方にぶらぶら歩くこと10分、風格のある建物、中国美術館が見えてきます。新中国成立後、北京には10大建築物が作られましたが、人民大会堂、国家博物館(元革命歴史博物館)、北京駅などと並び、ここもその一つです。
建築が始まったのが1958年、1963年に国家一級博物館としてオープンしました。館の面積は2万7000平方メートル、これを6万7000平方メートルまで広げる計画があるそうです。中国美術家協会の理事で、副館長の馬書林さんによると、ここは、近現代の中国の大家を中心に10万点以上の作品を擁しています。中、小の展示室ではこうした伝統画の常設展が短い期間で開かれます。そして、大ホールでは企画展。取材で訪ねた時は「アメリカ芸術300年展」が開かれていました。アメリカ原住民・インディアンの生活、初代大統領の誕生、そして前衛アートまで、これほど規模の大きいアメリカ展の試み初めてといい、平日にもかかわらず大にぎわいでした。