北京動物園の裏、つまり北側には幅10メートルほどの川が流れています。高層ビルが立ち並ぶ北京の街を車だけで移動していると気づきませんが、歩いてみると、ホットするこのような場所が見つかります。春らんまんのいま、人々は川べりで糸を垂れ、魚釣りを楽しんでいます。
この川、実は頤和園から流れ出ているもので、川沿いには10以上のお寺がありました。しかし、いまはごくわずか、真覚寺は数ない一つです。地図を見ても、なかなか捜しにくいのが、逆に魅力かもしれません。
真覚寺は明代、永楽年間に建てられたラマ教のお寺で、中央部分に5つの塔を有するお堂が作られました。このため、五塔寺の名で親しまれ、今日に至っています。
北京石刻芸術博物館は、この寺の敷地を利用して1987年に設けられました。改革開放の初期のころで、北京は大規模な都市改造があちこちで行われていました。一方で、遺跡、古い町並み、家の玄関の門といったものが壊されていく時代でもありました。こうしたものを残すためにも、この博物館は作られたのです。