「朝三暮四」の日本語での対応表現は同じく「朝三暮四(ちょうさんぼし)」です。そのまま使えて、意味もほぼ同じく「目先の違いにこだわり、本質が同じであることに気づかないこと」や「言動が定まらず、ころころ変わること」を表します。
以下、詳しく説明していくね。
1. 「朝三暮四」の中国語拼音
中国語拼音では 「zhāo sān mù sì」 です。
2. 「朝三暮四」の出典と故事
この故事は、中国古代の思想書「荘子」(そうし)の「斉物論」(せいぶつろん)に出てきます。
あらすじ:
ある猿飼いが、猿に「トチの実」を与える時に、「朝に3つ、夕方に4つあげよう」と言うと、猿たちが怒り出しました。そこで猿飼いは、「では、朝に4つ、夕方に3つにしよう」と言い直すと、猿たちは大喜びしたという話です。
意味:
数字の順序や表面だけの違いにこだわって、結局もらうトチの実の数(本質)が「朝3+夕4」も「朝4+夕3」も合計7で変わらないことに気づかない愚かさを風刺しています。そこから転じて、「目先の違いに惑わされる」 や 「言動がその場しのぎで安定しない」 という意味で使われるようになりました。
3. 「朝三暮四」の例文と説明
ここでは、日本語でよく使われる2つのニュアンス別に例文を紹介するね。
例文1(本質を見失う意味):
「予算の配分を巡る議論は、朝三暮四に過ぎない。重要なのは総額である。」
説明: これは「予算をどこに多くつけるか」という議論が、予算の総額そのものは変わらないのだから、猿のトチの実の議論と同じだ、と批判する時に使います。本質を見ずに目先の違いで騒いでいる様子を表しています。
例文2(考えがコロコロ変わる意味):
「彼の意見は朝三暮四で、一体何がやりたいのかわからない。」
説明: これは、その人の意見や態度が一定せず、その場その場で変わってしまい、信用できないという意味で使います。一貫性のなさを非難する表現だね。
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