日本語に完全に一致する四字熟語はありませんが、美しく咲き乱れる花の様子を表す以下の表現が近い意味を持ちます。
百花繚乱(ひゃっかりょうらん)
多くの種類の花が咲き乱れること。転じて、多様な才能や美しいものが一斉に現れることを表します。
「百花」は多くの花、「繚乱」は咲き乱れる様子を指します。
花紅柳緑(かこうりゅうりょく)
春の景色を表す表現で、花が紅く、柳が緑に美しく映える様子を指します。色彩豊かな自然の美しさを強調します。
「姹紫嫣红」の中国語拼音
拼音: chà zǐ yān hóng
「姹紫嫣红」の出典と典故
出典: 明の時代の劇作家・湯顕祖(とう けんそ)の代表作『牡丹亭(ぼたんてい)』(1598年)の「驚夢」という場面です。
典故:
この成語は劇中で、主人公の杜麗娘(と れいじょう)が春の庭園の美しさを嘆美するセリフに登場します。
「原来姹紫嫣红开遍,似这般都付与断井颓垣」
(もとは、色とりどりの花が咲き乱れているのに、このように壊れた井戸と崩れた塀に任せているのか)
ここでは、美しい花が無駄に散っていく様子が、自身の青春や恋愛の虚しさと重ねられています。後に、春の景色や華やかな事物を表現する際に広く使われるようになりました。
「姹紫嫣红」の例文と説明
例文:
「春天来了,公园里姹紫嫣红,吸引了许多游客。」
(春が来て、公園では色とりどりの花が咲き乱れ、多くの観光客を惹きつけている。)
説明:
ここでは、公園で多様な花が一斉に咲き、春の華やかな景色を表現しています。色彩の豊かさと賑やかな様子が「姹紫嫣红」で強調されています。
例文:
「她的画作展现了姹紫嫣红的景象,充满了生命力。」
(彼女の絵画は色とりどりの情景を描き出し、生命力に満ちあふれている。)
説明:
この文では、絵画の中で多様な色彩が使われ、鮮やかで生き生きとした印象を与えています。花に限らず、色彩の豊かさや美しさを比喩的に表現する例です。
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