「鴻門の宴」の物語

皆さんこんにちは、「songyun.org中国語教室」というコーナーを始めました。このコーナーでは中国に関する知識や中国語の勉強方法などをご紹介いたしますので、このウェーブサイトを有効にご利用していただき、この中国語教室が皆様のお役にたちますように心より願っています。

私も日々日本語と英語を勉強していきたいと思っておりますので、今後とも、よろしくお願いいたします。

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    中国の古代の統一してはまた分かれ、そしてまた統一するという権力争奪の長い歴史には、弱をもって強に勝ち、智をもって勇に勝つという有名な軍事的故事がたくさんある。

    紀元前221年、中国史上初の統一した封建王朝の秦が打ちたてられた。秦の支配者は悪の限りを尽くし、百姓たちを苦しめたので、住民は落ち着いて暮らすことは出来ず、各地では蜂起が絶えず起こっていた。その多くの蜂起軍のなかで、二つの軍隊が最も強大であった。一つは楚の武将項羽が率いる軍隊と秦の低級官僚だった劉邦が率いる軍隊だった。

    項羽は傲慢で、無謀な人物だが、戦に長け、その威名は天下に鳴り響いていた。一方、劉邦は狡猾な性格だが、人使いがうまかった。秦王朝との戦いで項羽と劉邦は同盟して助け合い、互いに勢力を増していった。そして二人は、先に秦の都咸陽を攻略したものが王と称すると約束したのである。

    紀元前207年、項羽は巨鹿にて秦軍の主力に打ち勝ったが、そのとき、すでに劉邦は秦の都咸陽を落としていた。劉邦は部下の策士の進言を聞き入れ、兵隊を咸陽付近の覇上に駐屯させ、咸陽城には入らなかった。また彼は秦の宮殿、財宝庫などを封じ、咸陽の百姓の慰撫に努めたので、劉邦は寛容で、その軍隊の軍記も厳しいと百姓たちは喜び、その多くが劉邦が王になることを望んでいた。

    劉邦が先に咸陽を落としたと知った項羽は激怒し、咸陽を争奪しようと四十万の大軍を率いて咸陽付近の鴻門(現在陜西隣潼の東)に駐屯した。策士の範増も「劉邦は本来は金銭を貪り、好色な輩でござる。しかし咸陽に入っても金銭を取らず、女にも手出ししないので、奴には大きな野望があることは明白でござる。今のうち奴を殺しておくべきです」と項羽に進言した。

    この消息はまもなく劉邦のところに入ったが、劉邦の策士張良は、いまの劉邦軍はわずか十万人であり、項羽との正面からの激突は避けるべきだ考え、親友である項羽の叔父項伯に、両者の仲をとりなしてもらうよう求めた。その後、劉邦は張良と大将の樊哙を連れ自ら鴻門に出向き、自分はただ咸陽を守って、項羽が来て王になるのを待っていただけだと項羽に伝えた。それを信用した項羽は、宴を開いて彼を招待した。そして宴の最中に、範増は項羽の隣に座り、なんども劉邦を殺すように合図を送ったが、項羽は見て見ぬふりをした。仕方なく範増は大将の項庄に、雰囲気を盛り上げるため剣の舞いを披露するよう命じ、機会をうかがって劉邦を殺そうとした。ところが項羽の叔父項伯も一緒になって舞い、わざと劉邦の前に立って劉邦をかばい、項庄に機会を与えなかった。これを目にした張良は、すぐに樊哙を呼んだ。樊哙は盾と剣を手にテントに入り、「劉邦殿はさきに咸陽を落としても、王を自称しておられません。それどころか覇上に戻って、貴方さまが来るのを待っておられたのです。このような大きな手柄を立てた方には、褒美が与えられるべきなのに、貴方さまは小人の讒言を信じてご自身の義兄弟を殺そうとなされるとは!」と叫んだ。これを聞いた項羽は恥じて言葉を失った。この機に乗じて劉邦は小用に行くと言い出し、部下たちを連れてこっそり自分の軍営へと逃げ帰った。優柔不断なことから劉邦を取り逃がしてしまった項羽を見て、策士の範増は怒り、「項羽はこれ以上の大物にはなれない!天下はいつか劉邦のものとなろう」という言葉を残した。

    これが中国史上有名な「鴻門の宴」であり、当時、己の勢力の強大さを過信した項羽は、劉邦を信用して彼を逃してしまった。その後、項羽は「西楚の覇王」と称し、皇帝に等しい身分をもって、劉邦を諸侯にあたる「漢王」に封じた。やがて、劉邦は項羽が他の諸侯を攻めているときに乗じて、咸陽を落とした。そして、項羽と劉邦は四年間にわたる「楚漢の戦い」を繰り広げた。楚軍は兵力では優勢をもって、漢軍を何度も打ち負かしたが、短気な項羽は軍を率いて百姓を抑圧したりしたことから、民心を失い、楚軍も徐々に弱くなっていった。しかし劉邦はつねに百姓に気をかけていたことから人々に支持され、勢力も強くなり、基の逆境を勝利へと変えていった。

    紀元前202年、劉邦は漢軍を率いて駭下(現在安徽霊壁の南)で楚軍を包囲した。項羽は強行突破したのち、漢軍に追撃され、仕方なく自害した。そして劉邦は皇帝の座につき、中国史上二つ目の封建王朝――漢を打ち立てたのだ。

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