癸丑岁暮杂吟

皆さんこんにちは、「songyun.org中国語教室」というコーナーを始めました。このコーナーでは中国に関する知識や中国語の勉強方法などをご紹介いたしますので、このウェーブサイトを有効にご利用していただき、この中国語教室が皆様のお役にたちますように心より願っています。

私も日々日本語と英語を勉強していきたいと思っておりますので、今後とも、よろしくお願いいたします。

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作者、黄之雋は清の詩人、役人。現在の上海の人です。博識な人として知られ、唐の時代の人の句を集めて作った「香屑(こうせつ)集」が有名です。タイトルの癸丑は雍正11年、1733年です。この年の年末に作られた漢詩です。歳暮の言葉は、いまではお歳暮、年末の贈答品のイメージですが、もともとは年末、歳末の意味です。客となってとありますから、旅か仕事で家を離れていたのでしょう。それが、帰ってきたらもう年末になってしまった。歳又除の又の文字が、もう年末だよという気持ちをよく表しています。一楼とは、作者の部屋のことでしょう。乱堆の書、読み終わった本かこれから読む本かは解りませんが、乱雑に積みあがった雰囲気から作者の性格まで伝わるようで、微笑ましい感じがします。更に、債を避けての債は、債務の債、借金ですね。これを避けて、残った本をかかえて、蠹魚に埋もれようと言っています。蠹魚は、しみ、本を食べる虫ですから、虫に食われぼろぼろになった本に埋もれよう、外には借金取りがいて出てけないことを言っています。この本の虫は、本ばかり読んでいる人のことでもあります。年末に借金取りに追われ、隙間風の入る、でも日当りのいい自分の部屋に籠り、乱雑な本に囲まれている。清の時代の詩は、唐や宋の時代と違って、生活の様子や習慣が現代に近く、想像しやすいように思います。この詩もなんだか江戸時代の長屋の様子のようでもあり、ユーモアが伝わります。今年もいろいろありましたが、やはり最後は笑って終わりたいですね。

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