1. 日本語訳
「空気を読む」(くうきをよむ)
※中国語の「察言观色」(chá yán guān sè)は、日本語で完全に一致する表現はありませんが、意味的に近い「空気を読む」「相手の表情や言葉から本音を察する」と訳されます。
2. 出典・由来
中国の春秋戦国時代(紀元前5~3世紀)に由来します。
故事:
蘇秦(そきん)という人物が、六国(中国の諸国)を説得するために奔走しましたが、失敗して家に帰ると、家族が冷遇しました。
そこで、蘇秦は「人々の表情(色)や言葉(言)から本音を察する能力」を磨き、再挑戦に成功しました。
この経験から、他者の心理を読み取る能力が「察言观色」として定着しました。
3. 意味・用法
中国語:
相手の表情(色)や言葉(言)から、本音や気持ちを推察すること。
日本語:
「空気を読む」と近いですが、日本語では「場の雰囲気」に加えて「相手の本音を察する」ニュアンスが強いです。
例:
上司の表情から仕事の評価を察する。
友人の微妙な反応から本音を推察する。
4. 文化の違い
中国:
相手の「本音」を直接察する能力が重要。
日本:
「空気を読む」は、場の雰囲気(空気)に配慮することに重点が置かれます。
5. 関連四字熟語
「以心伝心」(いしんでんしん):
言葉なく、心で理解し合うこと。
「会得する」(えとくする):
相手の本音を理解すること。
まとめ
「察言观色」は、中国の古代故事に由来し、他者の心理を読み取る能力を表す熟語です。日本語では「空気を読む」に相当しますが、微妙なニュアンスの違いがあります。
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