語気助詞の“了”解説

皆さんこんにちは、「songyun.org中国語教室」というコーナーを始めました。このコーナーでは中国に関する知識や中国語の勉強方法などをご紹介いたしますので、このウェーブサイトを有効にご利用していただき、この中国語教室が皆様のお役にたちますように心より願っています。

私も日々日本語と英語を勉強していきたいと思っておりますので、今後とも、よろしくお願いいたします。

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1.語気助詞の“了”とアスペクト助詞の“了”の違いのポイント

  記号  意味  用いる場所 
アスペクト助詞“了”  了1  動作の実現・完了  動詞(句)の直後 
語気助詞“了”  了2  新状況の発生や変化  文末 

 上記のように,2つの“了”を区別するために,アスペクト助詞の“了”を“了1 ”,語気助詞の“了”を“了2 ”と記号化することがあります。
2.語気助詞の“了”の用いられ方
 語気助詞の“了”は次のように様々な文の末尾について,「ある新たな状況になった」という変化の意味を表します。複文は小さな文がつながったものと考えますから,複文の中の節の末尾に“了”があるものも同様に考えます。
春天到了,天气暖和了。
(春になった,気候が暖かくなった。)
[Chūntiān dào le, tiānqì nuǎnhuo le.]
小陈病了。
(陳さんは病気になった。)
[Xiǎo Chén bìng le.]
已经十二点了,你快睡觉吧。
(もう12時だ,あなたは早く寝なさいよ。)
[Yǐjing shí diǎn le, nǐ kuài shuìjiào ba.]
她又想去了。
(彼女はまた行きたくなった。)
[Tā yòu xiǎng qù le.]
我明天不去动物园了。
(私は明日動物園に行かないことにした。)
[Wǒ míngtiān bú qù dòngwùyuán le.]
 最後の2例は難しいかもしれません。“想去了”“不去了”はそれぞれ
  [想去]+了
   →“想去”(行きたい)という状況になった→行きたくなった
  [不去]+了
   →“不去”(行かない)という状況になった→行かないことにした
と考えましょう。次の例はどうでしょう。
  吃饭了!(ご飯ですよ!)
これも,
  [吃饭]+了
  →“吃饭”(ご飯を食べる)という状況になった
  →ご飯時間・ご飯モードになったよ
  →ご飯ですよ!
と考えてみてください。
 
 否定はアスペクト助詞の“了”と同様に“没(有)”を用い,“了”は消されます。反復疑問文は“~了没有?”となります。
昨天下午你去商店了没有?
(昨日の午後あなたは店に行きましたか。)
[Zuótiān xiàwǔ nǐ qù shāngdiàn le méiyou?]
昨天下午我没去商店。
(昨日の午後私は店には行きませんでした。)
[Zuótiān xiàwǔ wǒ méi qù shāngdiàn.]
3.用法上の2つの“了”の違い
 アスペクト助詞“了”が表す「動作が実現した」という意味は,一種の新しい状況が発生したということだとも解釈可能ですから,アスペクト助詞“了”と語気助詞“了”は意味が非常に似る場合もあります。しかしその似た意味を表す場合でも,その用法には次のような違いがあります。
 談話の冒頭で,初めて何かを尋ねたり知らせたりする際には,語気助詞“了”を使います。例えば自分の姉の出産を話題として切り出すときには,

  我姐姐昨天生小孩儿了。
  (昨日,姉のところで赤ちゃんが生まれたんですよ。)

と言います。

  [我姐姐昨天生小孩儿]+了

ですから,初めて話題に出す際に細かいことは視野になく,全体として“我姐姐昨天生小孩儿”ということが「あった」(“了”)と述べています。同様の理由で,

  你昨天去哪儿了? ――我去天安门了。
  (昨日どこへ行ったの?――天安門へ行ったんだ。)

では語気助詞“了”を使うのに対して,
  所以你就去了日本?(だからあなたは日本へ行ったのですか?)
のように,事態の経緯の一環で「日本へ」行ったということを具体的に述べる際には,アスペクト助詞“了”を用います。次の例で,最初の2行では初めての話題として切り出しているので,語気助詞“了”が用いられているのに対し,後半の2行では「本を買った」という話題は既知のことで,今度は「何冊買ったか」という具体的なことに話が進んでいますので,アスペクト助詞“了”が用いられている点を確認してください。

  你买什么了?    (あなたは何を買いましたか。)
  我买书了。    (私は本を買いました。)
  你买了几本书?   (あなたは本を何冊買いましたか。)
  我买了三本书。  (私は本を3冊買いました。)

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