不二法門

皆さんこんにちは、「songyun.org中国語教室」というコーナーを始めました。このコーナーでは中国に関する知識や中国語の勉強方法などをご紹介いたしますので、このウェーブサイトを有効にご利用していただき、この中国語教室が皆様のお役にたちますように心より願っています。

私も日々日本語と英語を勉強していきたいと思っておりますので、今後とも、よろしくお願いいたします。

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仏教から来た四字熟語です。たった一つの最もいい方法という意味を表します。不二というのは、とても難しい仏教の概念です。生と死、善と悪、罪と福、世間と出世間、煩悩と菩提(ぼだい)など、皆相反する概念ですが、それらはもともと二つに分かれたものではなく、一つのものだという考えです。生きると死ぬなどを見極めることができれば、迷いも束縛もなくなる。つまり、不二の法門に入るわけでしょうか。

 仏教の経典によりますと、あわせて8万4000の法門が存在しています。その中で、不二法門は最高の法門です。人間はそれに入ると、生死を超え、成仏できるということです。もちろん、この法門というのは、空間ではなく、思想の門を指しているんです。

 不二法門は、『維摩経』(ゆいまきょう)の重要な思想です。この『維摩経』の内容は中インドの長者、ヴィマラキールティ(維摩詰)にまつわる物語です。こんな物語があります。

 ヴィマラキールティは在宅修行の菩薩です。すべてを捨てたほかの菩薩とは違って、ヴィマラキールティは美しい妻や妾を持つほか、広々とした邸宅や田畑を持ち、地元で有名な金持ちです。彼は誠心誠意、修行をすると同時に、俗世間の活動にも積極的に参加しています。このような出家しているようでしていないようなやり方はとても不思議に思われます。

 ある日、ヴィマラキールティは病気にかかりました。お釈迦様は文殊菩薩などの弟子に見舞いを命じました。菩薩たちはヴィマラキールティと仏法の真理に関する問答を行いました。ヴィマラキールティは最終的に深い仏教思想とすばらしい弁才で菩薩たちの質問に答えました。彼は「家族や財産を持っているが、貪欲になったことがない。形に拘らず、般若、つまり知恵を普段の生活に生かす」と、出家と在宅の不二を論説しました。

 最後に、文殊菩薩は「それじゃ、あなたにとって不二とは何か?」と聞きました。すると、ヴィマラキールティは目をつぶって、何も言いませんでした。文殊菩薩は、「素敵だな!文字もなく、言葉がない。これこそ本当の不二だ」と嘆いたのです。

 「不二法門」、日本語に訳しますと、たった一つの最善法、コツなのではないでしょうか。しかし、コツよりは、「不二法門」という四字熟語のほうは、ずっと奥深いものですよね。

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