漢詩を詠む楽しみ

皆さんこんにちは、「songyun.org中国語教室」というコーナーを始めました。このコーナーでは中国に関する知識や中国語の勉強方法などをご紹介いたしますので、このウェーブサイトを有効にご利用していただき、この中国語教室が皆様のお役にたちますように心より願っています。

私も日々日本語と英語を勉強していきたいと思っておりますので、今後とも、よろしくお願いいたします。

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日本では中国の詩を一般に「漢詩」といい、盛唐期の詩人である李白や杜甫の詩がその代表として愛読されている。しかし、中国では普通「漢詩」とは言わず、《诗经》に始まったこの詩歌文を、その時代に沿っての名前を冠し“楚辞”、“唐诗”、“宋诗”、“元曲”などと明確に区別している。このような日本人のまとめ癖(へき)は中国一般への対応にも顕著にあらわれており、さしずめ古い中国語を一括して「漢文」などというのと同じである。

「春曉」
孟浩然
春眠不覺曉
處處聞啼鳥
夜來風雨聲
花落知多少
 
春眠暁を覚えず
処処啼鳥を聞く
夜来風雨の声
花落つること知る多少
 
「絕句」
杜甫
江碧鳥逾白
山青花欲然
今春看又過
何日是歸年
 
江碧にして鳥逾々白く
山青くして花然えんと欲す
今春看々又過ぐ
何れの日か是れ帰年ならん
 
「江雪」
柳宗元
千山鳥飛絕
萬徑人蹤滅
孤舟蓑笠翁
獨釣寒江雪
 
千山鳥飛ぶこと絶え
万径人蹤滅す
孤舟蓑笠の翁
独り釣る寒江の雪
 
「靜夜思」
李白
牀前看月光
疑是地上霜
舉頭望山月
低頭思故鄉
 
牀前月光を看る
疑ふらくは是れ地上の霜かと
頭を挙げて山月を望み
頭を低れて故郷を思う
 
「登鸛鵲樓」
王之渙
白日依山盡
黃河入海流
欲窮千里目
更上一層樓
 
白日山に依りて尽き
黄河海に入りて流る
千里の目を窮めんと欲し
更に上る一層の楼
 
「秋浦歌」
李白
白髪三千丈
緣愁似箇長
不知明鏡裏
何處得秋霜
 
白髪三千丈
愁ひに縁りて箇くのごとく長し
知らず明鏡の裏
何れの処にか秋霜を得たる
 
「洞庭湖」
李白
洞庭西望楚江分
水盡南天不見云
日落長沙秋色遠
不知何處弔湘君
 
洞庭西に望めば楚江分かる
水尽きて南天雲を見ず
日落ちて長沙秋色遠し
知らず何れの処にか湘君を弔はん
 
「望廬山瀑布二首」
李白
日照香爐生紫煙
遙看瀑布掛前川
飛流直下三千尺
疑是銀河落九天
 
日は香炉を照らして紫煙を生ず
遥かに看る瀑布の前川を挂くるを
飛流直下三千尺
疑ふらくは是れ銀河の九天より落つるかと
 
「望天門山」
李白
天門中斷楚江開
碧水東流至此廻
兩岸青山相對出
孤帆一片日邊來
 
天門中絶えて楚江開く
碧水東に流れ此に至りて廻る
両岸の青山相対して出づ
孤帆一片日辺より来たる
 
「送元二使安西」
王維
渭城朝雨悒輕塵
客舍青青柳色新
勸君更盡一杯酒
西出陽關無故人
 
渭城の朝雨軽塵をうるほし
客舎青青柳色新たなり
君に勧む更に尽くせ一杯の酒
西のかた陽関を出でなば故人無からん
 
「垓下歌」
項籍
力拔山兮氣蓋世
時不利兮騅不逝
騅不逝兮可奈何
虞兮虞兮奈若何
 
力は山を抜き気は世を蓋ふ
時に利あらず騅逝かず
騅の逝かざる奈何すべき
虞や虞や若を奈何せん
 
「山中對酌」
李白
兩人對酌山花開
一盃一盃復一盃
我醉欲眠君且去
明朝有意抱琴來
 
両人対酌すれば山花開く
一盃一盃復た一盃
我酔ひて眠らんと欲す君且く去れ
明朝意有らば琴を抱いて来たれ
 
「黃鶴樓送孟浩然之廣陵」
李白
故人西辭黃鶴樓
烟花三月下揚州
孤帆遠影碧空盡
唯見長江天際流
 
故人西のかた黄鶴楼を辞し
烟花三月揚州に下る
孤帆の遠影碧空に尽き
唯見る長江の天際に流るるを
 
「早發白帝城」
李白
朝辭白帝彩云間
千里江陵一日還
兩岸猿聲啼不住
輕舟已過萬重山
 
朝に辞す白帝彩雲の間
千里の江陵一日にして還る
両岸の猿声啼き住まざるに
軽舟已に過ぐ万重の山
 
「除夜作」
高適
旅館寒燈獨不眠
客心何事轉凄然
故鄉今夜思千里
霜鬢明朝又一年
 
旅館の寒灯独り眠らず
客心何事ぞ転た凄然
故郷今夜千里を思ふ
霜鬢明朝又一年
 
「楓橋夜泊」
張繼
月落烏啼霜滿天
江楓漁火對愁眠
姑蘇城外寒山寺
夜半鐘聲到客船
 
月落ち烏啼いて霜天に満つ
江楓漁火愁眠に対す
姑蘇城外寒山寺
夜半鐘声客船に到る
 
「涼州詞」
王翰
葡萄美酒夜光杯
欲飲琵琶馬上催
醉臥沙場君莫笑
古來征戰幾人回
 
葡萄の美酒夜光の杯
飲まんと欲すれば琵琶馬上に催す
酔うて沙上に臥す君笑ふこと莫かれ
古来征戦幾人か回る
 
「江南春」
杜牧
千里鶯啼綠映紅
水村山郭酒旗風
南朝四百八十寺
多少樓臺盡雨中
 
千里鶯啼いて緑紅に映ず
水村山郭酒旗の風
南朝四百八十寺
多少の楼台烟雨の中
 
「夜直」
王安石
金爐香盡漏聲殘
翦翦輕風陣陣寒
春色惱人眠不得
月移花影上闌干
 
金炉香尽きて漏声残る
翦翦の軽風陣陣寒し
春色人を悩まして眠りを得ず
月移りて花影欄干に上る
 
「春夜」
蘇軾
春宵一刻值千金
花有清香月有陰
歌管樓臺聲細細
鞦韆院落夜沉沉
 
春宵一刻値千金
花に清香有り月に陰有り
歌管楼台声細細
鞦韆院落夜沈沈
 
「春望」
杜甫
國破山河在
城春草木深
感時花濺淚
恨別鳥驚心
烽火連三月
家書抵萬金
白頭搔更短
渾欲不勝簪
 
国破れて山河在り
城春にして草木深し
時に感じては花にも涙を濺ぎ
別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
烽火三月に連なり
家書万金に抵る
白頭掻けば更に短く
渾べて簪に勝へざらんと欲す
 
「子夜吳歌」
李白
長安一片月
萬戶擣衣聲
秋風吹不盡
總是玉關情
何日平胡虜
良人罷遠征
 
長安一片の月
万戸衣擣つの声
秋風吹き尽くさず
総べて是れ玉関の情
何れの日か胡虜を平らげて
良人遠征を罷めん
 
「春夜喜雨」
杜甫
好雨知時節
當春乃發生
隨風潛入夜
潤物細無聲
野徑云俱黑
江船火獨明
曉看紅濕處
花重錦官城
 
好雨時節を知り
春に当たりて乃ち発生す
風に随ひて潜かに夜に入り
物を潤して細かにして声無し
野径雲倶に黒く
江船火独り明らかなり
暁に紅の湿ふ処を看ば
花は錦官城に重からん
 
「君子行」
無名氏
君子防未然
不處嫌疑間
瓜田不納履
李下不正冠
嫂叔不親授
長幼不比肩
勞謙得其柄
和光甚獨難
 
君子は未然に防ぎ
嫌疑の間に処らず
瓜田に履を納れず
李下に冠を正さず
嫂叔は親授せず
長幼は比肩せず
労して謙なればその柄を得
和光は甚だ独り難し
 
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