中日成語・ことわざ

皆さんこんにちは、「songyun.org中国語教室」というコーナーを始めました。このコーナーでは中国に関する知識や中国語の勉強方法などをご紹介いたしますので、このウェーブサイトを有効にご利用していただき、この中国語教室が皆様のお役にたちますように心より願っています。

私も日々日本語と英語を勉強していきたいと思っておりますので、今後とも、よろしくお願いいたします。

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中日成語・ことわざ

有容乃大

この言葉は、一番最初に、四書五経の一つに数えられる「尚書」から出ました。"有容、徳乃大"。「受け入れてこそ、徳がどんどん大きくなる」と書かれています。

 初めて、「有容乃大」という四字熟語の形にしたのは、明の時代の兵部尚書、これは、今の国防大臣に当たる官職ですが、明の時代の国防大臣を務めていた、袁可立という人です。彼は、自分を励ますため、"受益惟謙、有容乃大"という対聯を書き上げました。謙虚な態度と大きな懐を持たなければならないと、自分を戒めているわけです。

 そして、一番よく知られるのは、"海納百川、有容乃大"という使い方です。海は無数の川を受け入れるからこそ、あれだけの大きさを持っているという意味です。これは清の時代の政治家、アヘン戦争の英雄、林則徐(りんそくじょ)が座右の銘にしていました。

 海は、「この川の水は受け入れるが、あの川の水はいやだ」などと、えり好みせず、すべての川の水を受け入れるのです。だから、そのように広大な海になりました。

 海は、選り好みをしない、低姿勢ですね。場所も最も低い所にあるので、自分に流れてくるすべての川の水を受け入れています。非常に寛大な精神を持っているわけです。

淡泊明志

中国には、漢字4文字で奥深い意味を表す四字熟語が数多くあります。今日は、多くの中国人に愛され、座右の銘によく取り上げられるものをご紹介します。

 座右の銘とは、常に自分の心に留めておき、戒めや励ましとする言葉なんですが、字熟語には、座右の銘にしたいなあって思われるものが多いですね。中国では、よく自分の好きな四字熟語を書にして、部屋に飾ります。今日は、中国でよく書にされ、部屋に飾られるものを二三ご紹介しましょう。「淡泊明志(たんぱくめいし)」、「有容乃大(ゆうようだいだい)」と「居安思危(こあんしき)」です。

淡泊明志

 この言葉は、一番最初に、前漢の劉安が編纂した本、「淮南子」に出ました。でも、一番有名なのは、三国志で有名な諸葛孔明が54歳の時に、まだ8歳の息子への手紙、「わが子を戒める書」に書いたことです。

 原文は、"非淡泊无以明志,非宁静无以致远。"と言います。「私利私欲に溺れることなく淡泊でなければ、志を明らかにすることができない。落ち着いてゆったりした気持ちでないと、遠大な境地に達することができない」となっています。目先の利益や欲望、感情に左右されることなく、志を明らかにし、落ち着いて、本来の成すべき事を地道に進めていくということです。

難得糊塗

糊塗は、ごまかすこと、バカという意味ですから、「難得糊塗」はバカは得がたし、バカになれという意味です。

 これは清の時代の画家、鄭板橋の書です。バカは得がたし「難得糊塗」という4つの大きな字の下に、さらに、「聡明になるのは難しい。糊塗になるのも難しい。聡明から転じて糊塗になるはさらに難しい」などと、小さな字で書き添えました。

 聡明になるのは難しい。これはよく分かりますね。でも、「出る杭は打たれる」と言われますから、聡明さはほどほどでいいということでしょうか?

 聡明になるのは難しいけど、糊塗になるのも難しい。バカの人生は辛い。人に嘲笑われたり、無視されたりするのは、耐え難いことです。

 しかし、聡明な人やバカな人よりは、バカなふりをしている本当の聡明な人こそ、一番難しいです。これは鄭板橋がいう「難得糊塗」、バカは得がたしということです。

 これは実は"大智若愚"「大賢(たいけん)は愚なるが如し」と同じような意味です。非常に賢い人は、知識をひけらかさないから、ちょっと見たところでは愚かな人のように見えるのです。

 つまり、智恵や知識というものを全部剥ぎ取って、糊塗、無造作な状態になったわけですね。いつでも自然体のままで行動を取る。聡明な人にもバカな人にも支持されるでしょう。

礼尚往来 四字熟語

続いての四字熟語は、日頃のお付き合いには贈答やもてなしも大切だということを示す言葉です。「礼尚往来」。何かをもらったら、必ずお返しをします。

 日本人はこの面でとても律儀ですよね。中国人の私から見てみますと、時々返してくれるのがあまりにも速いので、かえって「面倒くさい。贈らなければよかった」とでも思ってしまいます。

 それは日本人独特のこだわりなのかもしれません。深い意味はありませんが、礼儀として、社会的通例に従って、きちんとお返しをすることがあります。

 一方では、そんな律儀な日本人と対照的に、中国人はすぐにお返しをする習慣がないようです。付き合いは長いので、次のタイミングでお祝いなどを贈ればいいと思ってますね。でも、おもてなしや金銭の面では、しっかりと、「礼尚往来」のルールを守っています。

 日本では友人との食事などは、割り勘で支払うことが多いのですが、中国では誰かが全員をご馳走する、おごる形が多いです。そして、次回また集まるとき、別の人がお金を払うということです。この間、誰々さんにご馳走してもらった。次回、私が何とかしなくちゃ。。。と思いますので、友達との集まりが大きくなり、自然と人間関係がスムーズになります。

君子之交

「君子之交(くんしのこう)」。これは、荘子の言葉、「君子之交淡如水、小人之交甘如醴」、君子の交わりは、淡きこと水の如く、小人の交わりは甘きこと、醴の如し。が出典となっています。

 君子は徳のある者。その反対語に、徳のない者は、小人と言います。君子の交際は淡々としているために親しみは深くなり、小人の交際は甘くて利を離れないために、最初は甘酒のようですが、やがて途絶えてしまうという意味ですね。

 中国語では、「君子之交」という四字熟語以外に、「君子之交淡如水」原文のままで引用されることが多いです。

 「君子の交わりは淡きこと水の如し」に関して、こんな故事があります。

 唐の初期、薛仁貴(せつじんき)という有名な武将がいました。若い頃は貧しく、妻とボロボロの洞窟に住み、畑仕事を生業としていますが、それでも衣食が足りず、近くに住む王茂生夫妻によく助けてもらいました。

 後に、薛仁貴は妻の進めにより、軍に入り、唐太宗と一緒に高句麗に遠征した際、大きな手柄をあげたため、「平遼王」と封ぜられました。

 故郷に錦を飾った薛仁貴に、大勢の人が訪ねてきてプレゼントを贈ろうとしていましたが、薛仁貴はそれらをすべて丁寧に断りました。唯一受け取ったのは、昔近所に住んでいた王茂生が送ってきた二缶の「酒」です。

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