一石二鳥

皆さんこんにちは、「songyun.org中国語教室」というコーナーを始めました。このコーナーでは中国に関する知識や中国語の勉強方法などをご紹介いたしますので、このウェーブサイトを有効にご利用していただき、この中国語教室が皆様のお役にたちますように心より願っています。

私も日々日本語と英語を勉強していきたいと思っておりますので、今後とも、よろしくお願いいたします。

スポンサー

日本語にも「二」を含む四字熟語もありますね。例えば、一石二鳥。中国語にもあります。"一石二鳥"。同じ漢字を書きます。しかし、ちょっと調べてみたら、この言葉には、由来の故事などがありません。しかも、昔の中国には石で鳥を採る習慣がありません。だから、個人の推測ですが、中国語の"一石二鳥"は、恐らく近代に入ってから、日本語からの逆輸入なのかもしれません。

 実は、「一石二鳥」は日本生まれの言葉ではありません。17世紀のイギリスのことわざ「kill two birds with one stone.」(一つの石で二羽の鳥を殺す)の訳語だそうです。出典は中国ではなくイギリスです。日本語の四字熟語はほとんど中国からのものですが、逆に、中国には日本から輸入したものもあります。これはやはり漢字が中国にとって、分かりやすいからですね。

 中国語には、「一石二鳥」と全く同じ意味の四字熟語もあります。「一箭双雕」(いっせんそうちょう)、或いは、「一挙二得」というのがあります。

 「一箭双雕」、一発の矢で、二羽のワシを射たという意味です。日本語の一石二鳥と同じ意味ですが、もっと颯爽とした感じがします。そして、「一挙二得」、日本語では、一挙両得と言いますね。一つの行為で二つの利益が得られる。「一箭双雕」や一石二鳥の解釈と同じです。

 一箭双雕(いっせんそうちょう)の出典は、中国南北朝時代の北朝について書かれた歴史書、「北史」です。こんな物語があります。

 南北朝時代、北周の国には、長孫晟(ちょうそんせい)という有名な武将がいました。彼は兵法を熟知するだけでなく、馬術や弓が得意です。皇帝は長孫晟が北部の突厥(とっけつ)族(現在のトルコ族)に嫁ぐ姫を護衛するよう派遣しました。突厥の国王セトゥは長孫晟のことをとても気に入り、いつも狩猟に誘いました。

 ある日、セトゥと長孫晟が郊外で狩りをしていると、空には二羽のワシが飛んできました。すると、長孫晟は落ち着いて弓を上げ、スっと一発を射ました。空を舞っていた二羽のワシは同時に落ちてきました。周りの人は思わず喝采しました。

 こんな故事が後に「一箭双雕」という四字熟語にまとめられたのです。「一挙二得」より、イキイキとしていますね。この二つの四字熟語は中国語でよく使われます。「一石二鳥」の訳として、覚えていただければと思います。

スポンサー